雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Kurt Rosenwinkel Standards Trio / Reflections

   ↑  2009/12/06 (日)  カテゴリー: guitar

kurt rosenwinkel_standard



現代のニューヨークは世界中から蝟集した有能な若きギタリストがひしめき合い、まさに百花繚乱の様相を呈している。ノルウェーからラージュ・ルンド、イスラエルからギラッド・ヘクセルマン、国内からもマイク・モレノ、ジョナサン・クライスバーグ、、マット・スティーブンス、ジュリアン・レイジなど、独自のロジックと感性を武器に才能溢れる若きミュージシャンがニューヨークを舞台に活躍している。そして彼らの多くが影響を受けたギタリストとして名前をあげるのがカート・ローゼンウィンケル ( Kart Rosenwinkel , 1970~ ) だ。

そんなコンテンポラリー・ジャズ・ギターのトレンド・リーダーとしての役割を担うカートの最新作がリリースされた。単独リーダー作品としては通算9作目となる今作は、デビュー作 『East Coast Love Affair』 以来14年ぶりとなるギター・トリオ編成によるバラード集。

脇を固めるのは、彼のバンドのレギュラー・ドラマーであるエリック・ハーランドと、ブランフォード・マルサリスのバンド等で活躍中のベーシスト、エリック・レヴィスのふたり。
 
“ Standards Trio ” と銘打ったこのトリオが演奏するスタンダードは、≪ You Go To My Head ≫、≪ You've Changed ≫、≪ More Than You Know ≫などの古いアメリカン・ソングだが、それ以外にもセロニアス・モンクの≪ Reflection ≫、≪ Ask Me Now ≫ やウェイン・ショーターの≪ Ana Maria ≫、≪ Fall ≫ なども演奏している。70年生まれのカートにとってはモンクやショーターの曲もスタンダードとして捉えているのだろう。
 
ギター・トリオによるバラード集ということで、たいへん静かで落ち着いた雰囲気の中、演奏は進行する。そのあたりは前作のヴィレッジ・バンガードの実況盤 『 Remedy 』 の熱い高揚感とは対極にある演奏だと言える。そのためどうしても地味な印象を拭いきれない。がしかし、熟聴しているうちに確かな余韻と奥行きは体感できるはずだ。楽器をやらないジャズ・ファンにはBGM的な聴き方もできる曲想が多いが、実際に楽器を扱う、あるいは扱ったことのあるファンなら、決して聴き流せない馬鹿テク技が随所に散りばめられていて思わず唸ってしまう。リラックスして何気に弾いているように見せかけて、実のところ、静かに暴れまくっているのだ!

ここで演奏されるスタンダードは、彼のオリジナル曲とは違い、調性がしっかりしていて、コードプログレッションのロジックもわかりやすい曲ばかりなのだが、それでも至る所にスーパー・インポーズを適応することでコードをミクロ化し、インサイドとアウトサイドをシームレスに行き来しながら独特の浮遊感を演出している。流石はカート。ありきたりのスタンダード解釈ではない訳だ。ヴォイシングの斬新さ、ドミナント7 でのスケーリングの多様性など学ぶべき技が詰まっている。

バラードとはいえ、随所でとんでもない速さのフレーズを披露している。しかもその殆どが指盤をホリゾンタールに超速で昇降するフレーズである。左手をストレッチしたまま、一秒間に5連付を3つぐらい軽々と引き倒してしまう。あ、これはシンメトリック・オーギュメントだな、とかコンディミだなとか聴いているとわかるが、あの速さで弾けるのは神技としか言いようがない。

そういう訳で、今作は一般的なジャズ・ファンからの反応は鈍いだろうが、カート・ファンからすると、サックスやピアノなどがない分、彼のテクニックを学ぶには絶好の教材になるはずだ。ギター・トリオ編成でのデビュー作  『East Coast Love Affair 』 の時は譜面が発売されたので、今回も譜面の発売を期待したい。
 
ところで、カート以降のコンテンポラリー系のギタリストたちを体系的に論考した理論書はほとんどみない。おそらく各人が独自のロジックを構築、発展させていく過程にあるからなのだろう。

カートに関しても前述した 『East Coast Love Affair』の譜面や、『 Deep Song 』のリード・シートおよびソロ譜面を掲載した『 カート・ローゼンウィンケル オリジナル曲集 』などが発売されているが、譜面を覗いただけでは彼のあの独特の浮遊するフレーズの秘密を解き明かすことは難しい。シンコー・ミュージックから発売された 『 Jazz Guitar Book 』 の23号で≪未来を担うメインストリーマー達 ≫ と題した特集が組まれていて、ニューヨーク周辺で活躍中のギタリストの特徴を解説しているし、また馬場考喜氏による≪ コンテンポラリー・ジャズ・ギター・メソッド≫ の解説が掲載されているが、十分なコンテンツ量とは言い難い。






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Comment


これ、とても素敵♪

妙に歪んだ音で、日本人好みと言い切るスタンダード集を作り続けるレーベル。。
やっぱり、間違ってるなぁ。。って、思ってしまいました。

と、相変わらず理知的な解説ですね。
なんだか、お久しぶりですけど、ちゃんとみてました。
ギター好きだけど、専門的な知識はまったくなく、、ほぉ。。って、みていました。

トラバ入ったみたいでうれしいな。

すずっく |  2009/12/08 (火) 18:20 [ 編集 ] No.902


Re: Kurt Rosenwinkel Standards Trio / Reflections

crissさん,ちょっとご無沙汰してしまいました。いや~,それにしてもすずっくさんも書かれていますが,crissさんらしい記事というか...。私には真似のできない世界です。

このアルバムと前作を比べてはいけないのかもしれませんが,私としてはどちらかと言えば,前作の方が好みなんですよねぇ。でも皆さんがほめるものですから,またちゃんと聞いてみないといかんなぁと思う今日この頃です。

TBさせて頂きますが,うまくいくやら...。

中年音楽狂 |  2009/12/11 (金) 19:56 [ 編集 ] No.908


Re: Kurt Rosenwinkel Standards Trio / Reflections

suzuckさん、こんばんわ。

>これ、とても素敵
初め聴いたときにピンときました。
これ、絶対、suzuckさんの好みだと。

>なんだか、お久しぶりですけど、ちゃんとみてました。
僕もsuzuckさんのブログは見てますが、テキスト量があまりにも
多くて、活字に弱い僕には完読するのが一苦労です(笑)。
ライブ一本にあれほど語れるって、やはり才能ですね。

>トラバ入ったみたいでうれしいな。
ちゃんとはいってますね。こちらかからもTB
させてもらいますね。

東京は昨日あたりからめちゃくちゃ寒いです。
新潟もきっと寒いですよね。
「新潟には寒い時に行きます。1月にでも」と
言っちゃったけど、こうも寒いとちょっとだけ腰が引けます。
でも行きますからね。

criss to suzuck |  2009/12/11 (金) 21:16 No.909


トラバ

こんばんは。
お仕事方面の忘年会でした。年でなくて歳を忘れたい。(^^ゞ

とらばが風に飛ばされました。もーいちど、お願いしまあす。

すずっく |  2009/12/12 (土) 00:39 No.910


Re: Kurt Rosenwinkel Standards Trio / Reflections

数日前からトラバを試みているのですが、全然入ってくれなくて、コメントが遅れてしまいました。

なるほど、理論的に聴いていけばこうなるのですね。ただ、現代ジャズにありがちな、メカニカルなフレーズにに陥ることがないのは素晴らしいですね。歌っている範囲内で、しかもバラード集で、何だかスゴいことをやっているな、というのはジワーッとくるように分かりました。私も好きなアルバムです。

TBもう少ししたらまた試みます。

910 |  2009/12/13 (日) 10:34 No.913


Re: Kurt Rosenwinkel Standards Trio / Reflections

中年音楽狂さん、こんにちは。
こちらこそご無沙汰してました。
日曜日ですが、いかがお過ごしですか。
僕は土日当直で、患者さんと格闘中です。

僕も相武紗季ちゃんのサリーちゃんに惚れて、youtube しっかりDLしてiPod にいれちゃってます。かわいいですね~、ホント。

僕もカートに関しては前作のほうが好きだし、これからもCD棚から引っ張り出して聴く機会が多いのは前作のほうだと思いますが、ギターなどをへたくそながらいじる僕にとってはとってもいい教材になりました。
でも、理屈が分かったからと言って、実践で使えるわけではありませんが。
理屈と実践は別次元ですからね。

ということで、こちらからもTBさせてもらいます。
残念ながら、今回は中年音楽狂さんさんからのTBがどっかに飛んでいいってしまったようなので、仕方ないので、記事の最後にリンクを張っておきました。よろしくお願いします。
では、また。

criss to 中年音楽狂さん |  2009/12/13 (日) 14:40 No.914


Re: Kurt Rosenwinkel Standards Trio / Reflections

suzuckさん、こんにちは。

今日は当直してます。けっこう暇な病院なのに、今日はちっと忙しいです。インフルエンザは峠を越えた感じですが、病棟の大正生まれのおじいちゃんやおばあちゃんがいっきに急変しててんてこ舞いです。

もういちどTBしてみました。中年音楽狂さんのところも相性悪いし、嫌になっちゃいます。

criss to suzuck |  2009/12/13 (日) 14:47 No.915


Re: Kurt Rosenwinkel Standards Trio / Reflections

910さん、こんにちは。

せっかくなんどもTBしていただいたのに受け取れなくてすみません。
suzuckさんや、中年音楽狂さんちとも相性悪くて困っているんです。いつも駄目というわけじゃないので、これからもどうかよろしくお願いします。

今作はけっこう地味で、ぼ~と聴いていると流れてしまう作品ですが、たまたまジャズライフに<more than you know>の譜面が載っていたので見たのですが、やはりかなり高度なテクニックを要するフレーズで組み立てられていて、流石カートとうなりながらコピーして遊んでいました。

真似ができたからといって実践で使えるかというと、そこはまた数段、次元が違う話なのですが、でも、真似しながら、カートになりきってひとり妄想の世界で遊んだりしています。

ということで、お子さんが受験でブログ更新が少なくなるとのこと。僕もいずれ受験勉強のためにブログを中断、ないしは終了になるのではと思ってます。まだ先の話ですが。やはり受験だけは家族一丸となって取り組まなければいい結果がでませんからね。がんばってください。

では、また。

criss to 910 |  2009/12/13 (日) 16:14 No.917

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