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Dave Douglas with Jim McNeely + Frankfurt Radio Bigband ( hr big band ) / A Single Sky

   ↑  2009/12/11 (金)  カテゴリー: large ensemble

dave douglas a single sky2



米国人トランペッター、デイヴ・ダグラス ( Dave Douglas , Montclair , 1963~ ) は、いまだに日本での知名度は低いのだが、1994年のデビュー以降、フリーから正統派ハード・バップまで幅広いレンジで活躍し、すでに30枚近いアルバムをリリースしており、コアなファンの間ではけっこう人気が高い。もともと多作家であったが、2005年に自身のレーベル Greenleaf を立ち上げてからは更に制作スピードに拍車がかかり、ものすごい勢いで作品をリリースしまくっている。

 今年に入ってからもレスター・ボウイに捧げたプロジェクト“ Brass Fantasy ” 名義で 『 Spirit Moves 』 ( 前項あり ) という作品を6月にリリースしたばかりだが、早くも新作が発表された。

次々と新プロジェクトを立ち上げ、常に新しい音に挑戦し続けるデイヴ・ダグラスだが、今回はなんとドイツのフランクフルト・ラジオ・ビッグバンド ( Frankfurt Radio Bigband ) との共演盤だ。意外なことに彼にとっては初のビッグバンド作品となる。

あれ、はじめて耳にするビッグバンドだな、って思って調べてみたら、何てことはない、フランクフルトに本部を置くヘッセン放送協会( Hessischer Rundfunk ) 専属のビッグバンド、HR Big Band のことであった。いつもならHR Big Band の名前でアルバムをリリースしているのに今回だけフランクフルト・ラジオ・ビッグバンドと名乗ったか本当のところは不明だが、おそらくデイヴ・ダグラス 主宰のGreenleafとしては、米国内で売りさばくためにはヘッセンよりもフランクフルというネーミングのほうがファンにわかりやすいと判断したからであろう。

話のついでに、ドイツの公共放送ビッグバンドについて簡単に触れておく。(興味のない方は飛ばして読んでください)

ドイツにはドイツ公共放送連盟 ( ARD ) と呼ばれる公共放送局の組織があり、地方の放送局とネットワークを形成している。つまり、南西ドイツ放送協会 ( SWR )、北ドイツ放送協会( NDR )、西ドイツ放送協会( WDR )、ナイエルン放送協会( BR )、ヘッセン放送協会( HR )、中部ドイツ放送協会( MDR )、ベルリン・ブランデンブルグ放送協会( RBB )、ザールランド放送協会( SR )、ブレーメン放送( RB )  の計9つの地方放送局と連合を組んでいるのだ。そしてその中の多くが放送局独自の交響楽団やビッグバンドを所有している。ただし、クラシックの交響楽団はブレーメン放送( RB )以外の8つの地方放送局が所有しているが、ジャズのビッグバンドを抱えている放送協会はそれほど多くはなく、南西ドイツ放送協会 ( SWR )、北ドイツ放送協会( NDR )、西ドイツ放送協会( WDR )、それにヘッセン放送協会( HR ) の4団体に限られている。

この4団体の中で最も知名度が高いのは西ドイツ放送協会専属の WDR Big Band だろう。ジョー・ザヴィヌルがWDR Big Band と共演した作品 『 Brown Street 』 は、同ビッグバンドの名を世界中に知らしめるきっかけとなった名盤である。歴史的にみてもWDR Big Band が最も古い。一方のSWR や NDR も米国の一流アーティストを招聘して多くの作品をリリースしているので、最近はその認知度を高めている。そんな中では HR Big Band が最も知られていない存在であろう。しかし演奏技術は前3者に比べて決して遜色はないのでこの機会に彼らのサウンドを体感してほしい。

HR Big Band と他の公共放送局専属楽団とでは、音楽的守備範囲の広さがだいぶ違う。HR Big Band は、スウィング・ジャズ,モダン・ジャズ,ライト・ミュージック,アヴァンギャルド・ジャズからヒップ・ホップまで,様々な音楽をそのレパートリーに持ち,数多くのフェスティバル,定期コンサートなどにももちろん参加する。おそらく地元フランクフルトでは子供からお年寄りまで,あらゆる年齢層の方々に愛されるビッグバンドなのだろう。他の公共放送局専属のビッグバンドよりもかなり “ Polystyle ” で “ Versatile ” な職人集団と言えよう。

閑話休題。
本作にはアレンジャー兼コンダクターとしてジム・マクニーリー ( Jim McNeely , Chicago , 1949~ ) が参加している。彼は古くからヨーロッパとアメリカを行き来しながら、多くのビッグバンドを指揮してきたビッグバンド界の重鎮だ。本国アメリカでは Vanguard Jazz Orchestra に属し、ピアニスト兼作曲家として活躍する一方で、頻繁に訪欧しては Danish Radio Jazz Orchestra、 Metropole Orchestra、WDR Big Band、Stockholm Jazz Orchestra など、多くの名門ビッグバンドで采配を振ってきた。

今回も HR Big Band に招聘されたのか、と思ったが、実は2008年8月から同 Big Band の Artist-in-Residencce に招かれていたようだ。彼は今作において指揮をとるとともに4曲でアレンジも担当している。 デイヴ・ダグラス とジム・マクニーリーの組み合わせは初めてだと思うが、実はこの二人、80年代に師弟関係にあったようだ。デイヴがNew York University の Gallatin School に通っていた時、ジムから作曲について学んだそうだ。

さて、今作の内容だが、全7曲構成で、すべてデイヴの自曲である。デイヴは2008年のアメリカ大統領選挙にインスパイアされ   ≪ Delighted States ≫ というビッグバンドのための9楽章構成の組曲を作曲した。今作にはその9楽章の中から≪ Presidents ≫ ≪ Campaign Trail ≫ ≪ Blockbuster ≫ の3楽章を聴くことができる。残りの4曲はデイヴの古い自曲の中から選曲されており、ジムがビッグバンド用にリイメージされている。

正直なところ聴くまではあまり期待していなかった。デイヴのエッジの効いた自由奔放なスタイルがビッグバンド・サウンドに馴染むことはないだろうと蔑んでいた。おそらくデイヴとHR Big band は構図的には対置し、彼のフレーズは浮きまくるのではないかと思っていた。ところがこれが完全にいい意味で裏切られる結果となった。両者は高い次元で融合し、ドラマチックで壮大な音世界を演出し、素晴らしいビッグバンド・サウンドを作り上げているのだ。 デイヴの何処までも自由奔放なソロは控えめで、いつもの実験精神をぐっと抑えたスタイルで通している。

全体としては、スピード感よりも重厚感を全面に押し出したサウンドで、その圧倒的な迫力、音圧はヘビー級ボクサーにこれでもかと云うくらい殴られて気が遠くなっていくときの快感に似ている。どにかくスケール感が半端じゃなくて、大音量を浴びるように聴けば、かなりのトリップ感が得られること必至だ。特に壮大に展開するタイトル曲が強烈な印象を残す。加えて HR Big Band のテナー奏者、トニーラカトスとの相性もばっちりで、燃えたぎる炉心で二人が核分裂し、発生させるエネルギーの破壊力は半端じゃない。
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