雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

ブログパーツ

スポンサーサイト

   ↑  --/--/-- (--)  カテゴリー: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/?overture" target="_new

--/--/-- | Comment (-) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Luca Mannutza / Longin'

   ↑  2010/01/25 (月)  カテゴリー: piano
LUCA MANNUTZA_Longin'2 Luca Mannutza / Longin'  ( amazon )
2010  Wide Sound
星1つ星1つ星1つ星1つ星半分

Luca Mannutza ( p )
Gianluca Renzi ( b )
Nicola Angelucci ( ds )

 




いまや現代のジャズ・シーンの中心軸は北米から欧州に移った感がある、などと声高らかに言おうものなら、各方面から集中砲火を食らいそうなので口が裂けても言えませんが、でもこんな素晴らしいアルバムを聴いちゃうと、破竹の勢いを見せる欧州ジャズの底知れぬポテンシャリティに度肝を抜かれます。

High Five Quintet やファブリツィオ・ボッソ周辺で活躍していることで日本でも徐々にその知名度をアップさせてきたイタリア人ピアニスト、ルカ・マヌッツァ ( Luca Mannutza , Cagliari , 1968~ ) のソロ名義としては初となるアルバムです。すでに Venus Records から Roma Trio 名義で実質的なソロ・アルバムを3作品リリースしているのですが、プロデューサー主導の邦盤ではおそらく腹のうちを明かすことができなかったであろうマヌッツァが、自国の Wide Sound ではどんな演奏をしてくれるのか、とっても楽しみ。

サポート・メンバーは ローマ・トリオと同様、ベースはジャンルカ・レンツィ ( Gianluca Renzi , Frosinone , 1975~ ) 、ドラムスはニコラ・アンジェルッチ( Nicola Angelucci , Abruzzo , 1979~ ) の二人。

ジャンルカ・レンツィ はジョヴァンニ・ミラバッシのサポートで知られている名手です。ミラバッシ==レンツィ=レオン・パーカーで来日した際に僕は観ているのですが、涼しげな顔でとんでもなく速い運指で指盤を昇降しながらソロをとっていたの覚えています。彼の演奏力は同世代のベーシストであるピエトロ・チャンカリーニやニコラ・ムレーズやジュセッペ・バッシらと比べても際立って優れていると思います。個人的には密かにファンであるイタリア人女性ピアニスト、ステファニア・タリーニ ( Stefanian Tallini ) の作品によく参加しているので印象に残っています。タリーニのアルバムではかなりレンツィのソロパートが用意されているのでレンツィの馬鹿テクぶりを聴きたければお薦めです。近いうちにタリーニについては紹介しましょう。

ニコラ・アンジェルッチはフランチェスコ・カフィーソやステファノ・ディ・バティスタらと共演歴のある若手らしいのですが、あまり詳細は知りません。あ、そうそう、上記のステファニア・タリーニの作品にもレンツィと一緒に参加しているのを、先ほど知りました。

さて、内容ですが、全10曲でそのうち4曲がルカ・マヌッツァの、1曲がニコラ・アンジェルッチのオリジナル曲です。残りはスティングの《 Message in a Bottle 》 と 《 Tea in the Sahara 》 のカヴァ、ベニー・ゴルソンの《 Whisper Not 》、ロリンズの 《 Airgin 》 、それからスタンダードの《 Tea for Two 》 という構成です。で、ここでお気づきと思いますが、《 Message in a Bottle 》、《 Whisper Not 》、 《 Airgin 》、そして《 Tea for Two 》 の計4曲は、 Venus Records からの第一弾 『 慕情 』 でも演奏されていた曲なのです!! 

しかも聴いてみたらアレンジまで Venus 盤と Wide Sound 盤はそっくりなのです。せめてアレンジを変えてほしかった。それ以外は非の打ちどころのない完璧な作品なので非常に残念です。しかしその難点を補って余りあるほどの感動がありますので、『 慕情 』を既に所有している方もぜひ聴いてみるとよいでしょう。

彼らの技術的な特徴としては、変拍子の多用とリズム・チェンジの妙技、ということが挙げられるでしょう。《 Whisper Not 》 がなんと7拍子、《 Tea for Two 》 が5拍子、《 Airgin 》も途中で3拍子を挟み込んだり・・・、と、兎に角、手垢のついたスタンダードがアレンジ次第でここまで洗練されたカッコイイ楽曲になるのか、と驚きの連続です。もちろん驚異的なテクニックがあってこそ成し得る演奏なのは言うまでもありません。しかも相当凝ったアレンジで高度の技術力を要する楽曲にも関わらず、決して難解な堅苦しい演奏に聴こえないのが素晴らしい。

一方、オリジナル曲はがらりと雰囲気を変えた、いかにも欧州的な抒情性豊かな曲群です。極上のメロディー・ラインが横溢しています。タイトルチューンに表現された深淵に導かれるかのような抒情性には思わず震撼します。導入部での暗欝な雰囲気を湛えたレンツィのボーングも見事です。喩えが陳腐で申し訳ないが、 M. ナイト・シャマラン監督の映画にサントラになっても違和感のないような曲です。
 
こうして聴いてみると、アルバムの半分が Venus 盤と同じなのにもかかわらず、全編を通して聴いたときの印象は随分と違うものです。この Wide Sound 盤のほうがマヌッツァの音楽性が遥かに分かりやすい。 作品にとって、いかにアーティストのオリジナル曲が大切かが、この2枚を聴き比べることで理解できるのではないでしょうか。



  中年音楽狂さんの記事 『 Luca Mannutza のこれが本音か ?』 はこちら
  ヨシカワさんの記事 『 Luca Mannutza  /  Longin' 』 はこちら
  monaka さんの記事 『 自信に満ちて LONGIN' / Luca Mannutza 』 はこちら
関連記事

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-572.html

2010/01/25 | Comment (14) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
この次の記事 : Gianluca Renzi / Looking For The Right Line
この前の記事 : James Weidman / Three Worlds

Comment


こんばんわ。

こんばんわ。 
本日の最高気温-5度でした。耳がとれそうです。 
気温はさておき、クリスさんのルカ・マヌンツァの情報を待っていました。なぜならクリポタは届いたんですが、ルカはNICOLE HERZOG(TCB)が再入荷してからVENTさんに発送してもらうことにしているので、まだきいていないのです。確かにVENUS盤と同じ曲をやってますね。結構まえにお客さんから借りてきいたのですっかり忘れていました。 
アレンジも同じなんですか…う~む…なんで少しでも変えないんですかねぇ?不思議な話です。 
しかし、そんな作品だからこそオリジナル曲の存在が大きいですよね。さっきまでBOBO STENSONとENRICOを聴いていました。最近、欧州ピアノトリオを耳が求めているみたいなのでとても楽しみです。 
それではまた。

札幌少年 |  2010/01/26 (火) 22:22 [ 編集 ] No.1076


Re: Luca Mannutza / Longin'

札幌少年さん、こんばんわ。

最低気温が-5度かと思ったら、最高気温が-5度ですか。それでも人間って生きれるんですね。へんな感心をしてしまいました。今、東京は2度です。それでもメチャクチャ寒いです。先ほど、ゴミを置くのにベランダに出ましたが、僕も耳がとれそうでしたよ。

>アレンジも同じなんですか…う~む…なんで少しでも変えないんですかねぇ?不思議な話です。

もし、自分がミュージシャンで、数年に一度しかレコーディングしないとしたら、絶対同じ曲は録音しませんよ。一生、というか自分が死んでもず~と残る記録物に同じ曲を同じアレンジで吹き込むなんて、もったいないでしょ。ほんと、どうしてそんな選曲したのか不思議ですね。

でも、実にクオリティの高い内容のアルバムを作り上げたもんだ、と感動しました。これ、いいです。ビーナスとの曲のだぶりがなければ五つ★です。

>さっきまでBOBO STENSONとENRICOを聴いていました。最近、欧州ピアノトリオを耳が求めているみたいなのでとても楽しみです。 

僕はちょっと遅れてロベルト・ガトーの「 Remembering Shelly 」を買ってきたので、それを聴いてました。まあ、予想通りかな。これから二回目を聴いて寝ます。では、また。

criss to 札幌少年さん |  2010/01/26 (火) 23:22 No.1077


Re: Luca Mannutza / Longin'

crissさん、こんにちは。

このアルバム、Venus盤と聞き比べると、内容もさることながら、録音に対する考え方がかなり違うような気がして興味深かったです。Venus盤と同じ曲を4曲も再演しているのは、レンツィがマグナム・サウンドが気に入らなかったのかも(笑)。
まぁ、それは冗談ですが、Venus盤は向こうでは手に入りにくいだろうし、イタリアや欧州のリスナーに向けて自分たちの「音楽」を発信するために、あえて再演したのではないろうかと思ったりします。

トラックバックさせていただきました。

ヨシカワ |  2010/01/31 (日) 13:10 No.3602


Re: Luca Mannutza / Longin'

ヨシカワさん、こんばんわ。

>Venus盤と同じ曲を4曲も再演しているのは、レンツィがマグナム・サウンドが気に入らなかったのかも(笑)。

なるほどね~、ほんとうにそうかもしれませんよ。どうみても同じ曲を同じアレンジで再演するなんて。そして両者の違いは録音だけですからね。録音の違いを強調し、いかにマグナムサウンドが不自然かを知らしめたかった、というのは、決して深読みではないかもしれませんよ。


ということで、こちらからもTBさせていただきます。

criss to ヨシカワさん |  2010/01/31 (日) 22:42 No.3609


Crissさん、こんばんわ。

何故同じ曲を同じアレンジで?
この件について、ヨシカワ様とのやり取りを読んでいて、これは自分もなるほど!と考えさせられました。
今までVenusの作品と比べて聴く、という機会は無かったですし、同じアレンジの4曲はWide Sound盤の方がより自然に耳に入ってきます。
真実は分かりませんが、敢えて、意図的にこの4曲を入れたものであるとしたら、これ凄いことですね! 身震いしてきました。
比較して何度も何度も聴く度に何か本当にそう思えてきましたが・・・。

さて内容ですが、一聴した時はいまひとつだったのですが、聴くたびに新しい発見があります。
これは以前から思ってましたが、Lucaのテクニック、コンポーザーとしての能力、見事です。これらが《ピアノ・トリオ》というフォーマットでいかんなく発揮されてるのではないでしょうか。そう感じました。
それにしても、Lucaのソロから始まり、畳み掛ける「Airgin」は良いです!

SINTETIC |  2010/02/01 (月) 20:15 No.3613


Re: Luca Mannutza / Longin'

crissさん、こんにちはmonakaです。
このアルバム、聞くほどにlucaの良さがわかってきますね。
実に安定している。TBさせていただきます。

monaka |  2010/02/01 (月) 22:51 No.3614


Re: Luca Mannutza / Longin'


>真実は分かりませんが、敢えて、意図的にこの4曲を入れたものであるとしたら、これ凄いことですね! 身震いしてきました。

僕もです。ちょっと怖い。ルカと原氏との間に、なんらかの確執があったのか、というのは、いくらなんでも深読みし過ぎでしょうね。

>Lucaのテクニック、コンポーザーとしての能力、見事です。これらが《ピアノ・トリオ》というフォーマットでいかんなく発揮されてるのではないでしょうか。そう感じました。
それにしても、Lucaのソロから始まり、畳み掛ける「Airgin」は良いです!

「Airgin」の冒頭のソロは最高でしょ。あれ、venus 盤よりも Wide Sound 盤のほうが遥かに長いんですよね。たしか Wide Sound 盤は2分30秒近くあるんですよ。もしかすると原氏に冒頭ソロは短めにお願いしますね、みたいに言われちゃったのかな。

criss to SINTETIC |  2010/02/02 (火) 05:01 No.3616


Re: Luca Mannutza / Longin'

monakaさん、こんにちは。

monakaさんがあまり好きじゃなかったパッチンスキーの記事も
いっしょにTBさせていただいます(笑)。

criss to monaka |  2010/02/02 (火) 05:03 No.3617


Re: Luca Mannutza / Longin'

クリスさん、こんばんは。

Lucaの新作の曲名が発表になりましたね。

1 Ezz-thetic   (George Russel)
2 Short Story  (Kenny Dorham)
3 Sweet’n’Sour (Wayne Shorter)
4 Litha (Chick Corea)
5 You Know I Care(Duke Pearson)
6 The Big Push (Wayne Shorter)
7 Grew’s Tune (Mulgrew Miller)
8 On The Ginza (Wayne Shorter)

Luca自身の曲がないのがちょっと残念かな~。でも買っちゃうだろうな。

Marty |  2010/02/02 (火) 22:17 [ 編集 ] No.3621


Re: Luca Mannutza / Longin'

Martyさん、いつも早い情報ありがとうございます。

ショターの曲が3曲ありますね。
でも、どれもショーターのオリジナルの中じゃ、あまり有名じゃない曲のような気がしますが。
曲のタイトルだけ聴いてもすぐに思い浮かびません。
< on the ginza > や< seet'n'sour > はキャラバンやウゲツにはいっている曲だからまだしも、< the big push > なんかは「 The Soothsayer 」に収められていた曲ですからね~。あまり知られていませんよね。
個人的には「 The Soothsayer 」は好きなアルバムですが、でも、この曲はそれほど目立つ曲ではないし。

ミラーの曲にしたって、ケネディーセンターのライブ盤、MAXJAZZ にはいっていたけど、これも全く印象に残っていない曲です。

まあ、楽しみですが、オリジナルが聴きたいですよね、やっぱり。

また予習のためのプレイリストでも作ろうかな。

criss to Marty |  2010/02/04 (木) 02:04 No.3626


Re: Luca Mannutza / Longin'

crissさん,こんばんは。少々ご無沙汰してしまいました。

私はこの人はハードバップ一辺倒だと思っていたのですが,随分と印象を変えてくれる演奏集でした。イタリアのミュージシャンって結構懐が深いなぁなんて思ってしまいました。

ということで,TBさせて頂きます。

中年音楽狂 |  2010/02/05 (金) 21:43 [ 編集 ] No.3638


Re: Luca Mannutza / Longin'

こんにちは。

お久しぶりです。でも時々お邪魔はしてましたが。

中年音楽狂さんも、音楽の守備範囲が広いし、映画の話も多いので、
突っ込みを入れたくても入れられません。

いやね、僕も映画は大好きなんですが、中年音楽狂さんとちがって
完全に娯楽系が好きですから。

「アバター」に感動しちゃうタイプだし、今日なんか、これから
DVDで借りてきた「トランスフォーマー リベンジ」を見るつもりですし、
あ、中年音楽狂さんが酷評してましたよね、これ。

ということで、こちらからもTBさせていただきますが、そちらからのTBはunsuccessful のようですので、本文下にリンク貼らせてもらいます。

criss to 中年音楽狂さん |  2010/02/06 (土) 17:18 No.3643


Lucaの新作

クリスさん、GWの海外はいかがですか?
luca の 「Longin'」は、抱き合わせの関係で到着が遅れており、その間一時HMVで入手困難になりましたが、先日やっと届きました。入荷を待った分、その間のセールで40%OFFになり、一番安い時の価格適用で2000円ちょっとで入手できました。私的には、Sound Sixより、こっちの方が好みかな。
新作は、6月半ば発売予定のAndy GravishとのSOUND ADVICEですね。Max Ionataもいるので、こちらも期待できそうですね。

Marty |  2010/05/04 (火) 09:13 [ 編集 ] No.3920


martyさん、お久しぶりです。

GWのグアムは当たり前のことですが日本人だらけの異様な空気感がありましたよ。のんびりはできましたが、食事はまずくてだめですね。なんとかならないですかね。帰国するなり、妻と二人でとんこつのカップラーメンを食べましたが、なんと美味しかったことか。

そうですか、最近CD自体を買っていないのでわかりませんでしたが、HMVで40%オフなんてことあるんですね。やっぱりネットは安いですよね。ますます在庫抱えたリアル店舗は不利な立場に立たされちゃいますね。

アンディー・グラビッシュとの新作が出るんですね。知らなかった。猫魚屋をチェックしたら出てました。初期のHFに似ている、なんて書かれると買っちゃうましね。



criss to marty |  2010/05/06 (木) 08:27 No.3925

コメントを投稿する 記事: Luca Mannutza / Longin'

お気軽にコメントをぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメントとして投稿する。(管理人にのみ公開)
 

Trackback


この記事にトラックバックする

Luca Mannutza / Login' (2009: Italy)

2010.1.18で、albore jazzから3月にリリースされるLuca Mannutzaの「TRIBUTO AI SESTETTI NEGLI ANNI '60」が楽しみだと書いたのですが、先にトリオ作品を入手しました。イタリアのレーベルWide Soundから発売された新作です。日本のVenus Recordsからアルバムを出してい

ご近所の日々 2010/01/31

自信に満ちて  LONGIN' / Luca Mannutza

ルカ・マヌッツァ気にしないうちに随分身近なピアニストになってきました。 最初がどれだか解りませんが、はっきり意識したのがハイ・ファイブ、そしてブルーノートで会いました。結構いいねぐらいで、でも日本で出ているローマ・トリオは無視していましたから、Alboleか

JAZZ最中 2010/02/01
この次の記事 : Gianluca Renzi / Looking For The Right Line
この前の記事 : James Weidman / Three Worlds
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。