雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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ペトルチアーニは何故肺炎で死ななければならなかったのか(2)。

   ↑  2005/08/18 (木)  カテゴリー: 未分類

Michel Petrucciani 「 Trio In Tokyo 」Dreyfus VACR-2039
Anthony Jackson (b), Steve Gadd(dr), 1997,Live in Blue Note Tokyo

ペトルチアーニは骨形成不全症(OI)にもかかわらず、幸運なことに難聴と上肢の筋力低下を免れたため、ピアニストとして大成できました。しかし、合併症の一つである呼吸器疾患は免れなかったのです。

OIは軽症から重症まで、タイプ1→タイプ4→タイプ3→タイプ2 と、4タイプに分類されています。タイプ2が出生時か幼少期に死亡する重症型で、タイプ1や4は生命予後が良好なタイプです。ペトルチアーニは主治医から<20歳まで生きれるかどうか>と言われていたという事実から考えると、おそらくタイプ3であったと考えられます。このタイプは運が悪いと成人前に死亡し、運が良いと中年まで生きれるというバリエーションがあります。そしてその最大の死因は胸椎変形や胸郭変形の進行による呼吸不全なのです。晩年の作品「Both Worlds」のジャケットを見ると、いわゆる「ビール樽胸郭」という異常(胸郭の前後径が横径より大きい)な胸の形が分かると思います。しかも、若いときより20kg近く体重が増加し、かなり呼吸機能が低下していたと考えられます。「ビール樽胸郭」は喫煙者に多く見られる肺気腫(COPD)でも認められる特徴で、呼吸時に胸郭の動きが制限されて十分な換気がなされず、気道感染も起こしやすいといわれています。
このようにいつ呼吸不全に陥ってもおかしくない状態であったにもかかわらず、ペトルチアーニは1999年当時、既に生活の拠点をニューヨークに移しており、その凍りつくようなニューヨークの冬を過ごしていたのです。当然のように風邪を引いたのではないでしょうか。普通なら風邪薬でも飲んで暖かくして3日もすれば治っているでしょう。でも、ペトルチアーニの体はそうはいかなかったのです。OIは咳きをしても肋骨が折れてしまうほど骨が脆いのです。おそらく風邪で咳をしているうちに肋骨骨折を起こし、それも多発骨折となり、呼吸自体も弱くなってしまったのではないでしょうか。そして、マンハッタンのBeth Israel Hospitalに入院し、抗生剤などの治療を受けたに違いありません。しかし、肋骨骨折のため痰も出せず、深呼吸もできず、徐々に細菌が肺にたまり(肺炎)、痰が肺の奥にたまり(無気肺)、呼吸不全に陥っていったと思われます。そこで主治医達は呼吸不全の治療ために、肺の中にチューブを挿入(挿管)し、人工呼吸器管理を行おうとしたかもしれません。しかし、挿管自体が「ビール樽胸郭」の患者には非常に困難な処置なのです。もしうまく挿管できたとしても肺気腫様の「ビール樽胸郭」の患者の呼吸器管理は困難を極めます。そしてついに万策尽きて、1999年1月6日、極寒のニューヨークで帰らぬ人となったのです。
生まれ故郷の南仏の町でピアノを弾いていたらもっと長生きできたかもしれません。しかし、彼の外の世界への好奇心はフランスに留まることを許さなかったのです。Owl レーベルを捨て、Blue Note での仕事を選んだのです。

「毎瞬々々の、今に生きていたいんだ。誰にも次の瞬間のこと、明日のことなど分からない。今に生命を燃やし、今を喜びで満たすことしか、人生にはないのではないか。」
                       ミッシェル・ペトルチアーニ


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2005/08/18 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


毎瞬々々の、今に生きていたいんだ

とか言いながら、たくさんの女の人と遊びまくって、一時期借金地獄だったらしいです。意外にだらしのない人間臭さのある人で親近感が沸きます。僕と年齢も同じなんですよ。

クリス |  2005/08/20 (土) 20:34 [ 編集 ] No.1156


興味深く読ませていただきました

「毎瞬々々の、今に生きていたいんだ。誰にも次の瞬間のこと、明日のことなど分からない。今に生命を燃やし、今を喜びで満たすことしか、人生にはないのではないか。」ミッシェル・ペトルチアーニ
なんとも、いい言葉ですね
ペトルチアーニの記事、興味深く読ませていただきました。
最後のこの言葉、こう考える人は多いでしょうけど、なかなか実行できない、彼はそれを実行した人なのでしょうね
あらためて、聞き直してみます。

バブ |  2005/08/19 (金) 22:32 [ 編集 ] No.1157

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